新しい生活様式と子供の視力
1. はじめに
近年IT化が進んでいます。それに加え新型コロナウイルス感染予防の目的で、リモート授業が行われるなど、子供がスマートフォンやダブレット端末を利用する機会が多くなっています。
今回、子供がスマートフォンやダブレット端末を使用する際の注意点、特に目に及ぼす影響と対策についてご説明します。
2. 視距離が目に及ぼす影響
30センチよりも短い距離で読書する子供は30センチ以上離して読書する子供に比して2.5倍近視になりやすいことが報告されています。また、近い視距離は眼位にも影響を与え外斜視や内斜視が発症したり悪化したりします。
3. 主なデジタル機器との付き合い方
1. スマートフォン
スマートフォンでは視距離が20センチと書籍を読む場合の視距離(30センチ)と比較して短くなりやすく、目への負担が大きい(疲れやすい)ので、連続使用は30分以内とし、近視や遠視の人は適切なメガネの使用、画面の大きさ、照明などに注意して、30センチ以上距離を離して適切に使用することが大切です。
2. タブレットパソコン
タブレットパソコンでは指で触り操作する作業があるため肘をつけて腕をしっかり伸ばして持つことができません。教科書を読む時と比べて視距離が短くなってしまいます。連続使用は30分以内にし、視線とタブレットの画面が直角になるように画面の角度を調整し、指で操作する際は文字などを大きくし、視距離30センチを保つことを十分意識して使用することが大切です。
3. パソコン、テレビゲーム
パソコンやテレビでは視距離を30センチ以上とれますが、長時間使い続けることにより視力低下、目の痛み、目が開けられない、頭が重い、吐き気などの症状を起こすことがあります。予防するためには、50センチの距離で楽に見える画面化をし、視距離50センチ以上とし、連続使用は50分以内とすることが大切です。
おわりに
これまで、個々のデジタル機器別に適切な使用方法をご説明しましたが、なかなか覚えられません。最近、英語圏を中心に「20ルール」が浸透しています。これはすべてのデジタル機器に適応する目の休め方で、20分デジタル画面を見たら、20秒間20フィート(6メートル)以上離れたものを見て休憩するというものです。まずはこれから始めてみてもよいかもしれません。